厚労省が特別養護老人ホーム、いわゆる特養の入居基準を厳しくしたいと提案しているようです。

老人ホーム厚労省では、特別養護老人ホームでの入所基準を今までの基準より高い、「要介護度3以上」に限るとする案を示しているというニュースが入ってきました。

今までは収入の程度など、一定の基準を満たせば要介護度1から入居出来ましたが、今度の厚労省の案では、比較的介護度が重い、要介護度3以上でないと入居できないようになります。

特別養護老人ホームでの要介護度2以下の利用者の割合は全体の10%程度とされていて、この比較的軽い要介護度の高齢者の入居は原則認められない可能性が高くなりました。

ではなぜこのような案を提示してきたのでしょうか?

それは、特別養護老人ホームの入居待ちが解消されず、要介護度3以上の入居待ちの高齢者が全国で12万人に登っているからだというのが厚労省の説明です。

<要介護者の実態に即した制度運営を>

先程、人口の4分の1が高齢者になった超高齢化社会では、確かに臨機応変な対応が必要とされる場合もあるかと思います。

しかし、この人口動態の変化は世界一の戸籍管理が行き届いている日本では、以前から十分にわかっていたことです。介護保険もその高齢社会に向けての、社会保障制度改革の一環で出来た制度です。

厚労省としては、建築費や給付費がかさむ特別養護老人ホームの新しい施設を作ることはできるだけさけ、介護度が低い高齢者には、できるだけ自宅で介護を受けてほしいというのが本音でしょう。

自宅での介護は、私も基本的には賛成です。しかし、今回の基準は一律要介護度3以上という数字で決めてしまっているところに、私はどうしても「?」を付けざるをえません。

ソーシャルワーカーやケアワーカーの基本原理のうちの一つに、「個別性の原理」というものがあります。

「要介護者という人はいない。木塚という介護が必要な人がいるだけだ。」

という有名な個別性の原理を表す文章がありますが、今回の厚労省の報道を読むと、数値だけでは表せない、その人それぞれの事情を考慮せず、生活の基本である住居の選択を要介護度3で一律に区別していいのか?と思ってしまうのです。

まさに「個別性の原理」を完全に無視した施策だと言えるでしょう。

要介護度が低くても、認知症を患いとても家庭では介護ができない家庭もあるでしょうし、介護をするためには会社をやめざるを得ない場合も出てくるでしょう。

なにより、この措置では「低所得者の高齢者の生活の場を、どのように構築していくのか?」という根本的な課題の解決になっていません。

まさにその場だけ取り繕う感じの施策に感じてしまうのは、私だけでしょうか?

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