インスリン
インスリン(インシュリン、insulin)は、膵臓に存在するランゲルハンス島(膵島)のβ細胞から分泌されるペプチドホルモンの一種。
インスリンは血糖値の恒常性維持に重要なホルモンである。血糖値を低下させるため、糖尿病の治療にも用いられている。
(ウィキペディアより)
血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪細胞などに送り込む
肝臓や筋肉内でブドウ糖がグリコーゲンに合成される作用を促進する。
肝臓からブドウ糖が血液中に放出されすぎないように抑制する。
脂肪細胞でブドウ糖の利用を促進し、脂肪合成を高める。脂肪の分解を押さえる
(はてなキーワードより)
とあります。
試験では、インスリンの働きがよく出ていますので、インスリンの働きをまとめてみましょう。
- 分泌される場所
上記のように膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島になります。ランゲルハンス島までは覚えなくていいと思いますが、このランゲルハンス島、ちょっと変わった名前ですね。なぜ、このような変わった名前なのでしょうか?
それは、このインスリンを発見したのがランゲルハンスという医学生だったからなんですね。 - 作用
なぜ、血糖値とインスリンが密接な関係にあるかは、このインスリンの作用を理解するとよくわかります。下の図を診てください。(クリックすると大きな図になります)
インスリンの最も大切な作用は、血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪細胞などに送り込むことです。つまり、血液中の余分な糖を血液の外へ送り込むんですね。
私達が食べ物を食べると、食べ物は分解されて、その一部は糖になり小腸から血液中に吸収されます。すると、当然血液中にいつもより糖が増えることになります。
糖は血液の中にあるだけではエネルギーになりませんので、細胞に移動しなければなりません。そこで、その移動する働きをするのがインスリンなのです。
インスリンの働きで血液中の糖を送り込むと当然、血液の中の糖は減ります。そうすることで、血液中の糖の割合を一定に保っているわけです。
しかし、何らかの原因でインスリンの分泌が減ると、血液中に糖が増えてしまいます。これが、糖尿病になる原因の一つなんですね。
では、今までの流れを簡単にまとめてみましょう。
<正常の場合>
- 食べ物を食べる
- 消化して、一部が糖に変わり小腸から血液へ吸収される
- インスリンが正常に働いて、糖が血液の外に運ばれる
- 血糖値は一定範囲に収まる
<糖尿病の場合>
- 食べ物を食べる
- 消化して、一部が糖に変わり小腸から血液へ吸収される
- インスリンが正常に働かないので、糖が血液の外に運ばれなくなる
- 血液中の血糖値が上がり、糖尿病になる
大雑把に説明しますとこのような流れになります。
また、試験では糖尿病の症状も出ていますので、理解しておきましょう。
糖尿病の合併症といえば次の3つを理解しておけば大丈夫です。
- 糖尿病網膜症
これは、糖尿病が原因で目が見えにくくなる症状ですね。
最悪失明までなってしまいます。 - 糖尿病腎症
これも、糖尿病が原因で腎臓の働きが悪くなる症状ですね。
これも悪くなると、透析が必要になります。 - 糖尿病神経障害
これも糖尿病が原因で、手足のしびれや、最悪、末端の細胞が壊疽(死ぬこと)して、手足を切断しなくてはならなくなります。
厚労省のこちらに詳しい説明がありますので、是非ご覧になって下さい。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/tounyou/result.html
これらの症状のポイントは、すべて
毛細血管が糖で傷つくことで起こる症状
ということです。
- 目の網膜
- 腎臓
- 手足のさき
すべて、とても小さい毛細血管がたくさんある部分です。
下の図を見てください。(クリックすると大きな図になります)
この毛細血管に通常より糖がたくさんあると、毛細血管はとても小さい血管ですので、糖で傷ついてしまうんですね。
なので、この3つの症状が糖尿病では、とても出やすいんです。