もう変更になって1年以上経ってしまいましたが、去年の4月1日から「障害者自立支援法」が「障害者総合支援法」に変わりましたね。
名前がもちろん変わっていますので、内容も一部変わっていますので、ここで遅らせながら今回と次回の2回に分けて変更のポイントをご説明したいと思います。
- 理念の変更
今までの理念は障がい者の自立支援が中心でしたが、「共生社会」の実現へと理念が変更となりました。 - 障がい者の範囲が変わりました
今までは障がい者の範囲の中に入っていなかった「難病」も障がい者(児)の範囲に入ることになりました。 - 障害程度区分から障害支援区分へ
今までは障がい者のサービス範囲の判定に「障害程度区分」が使用されていましたが、「障害支援区分」へと変更されました。 - その他
・障がい者に対する支援の充実
・サービス基盤の計画的整備
などが厚労省のこちらのサイトに挙げられています。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/sougoushien/dl/sougoushien-01.pdf
今日は、そのうちの「理念の変更」を考えてみたいと思います。
今までの障害者自立支援法は、その名の通り「障がい者の自立を支援」する法律でした。
つまり、障がい者の方が如何に地域等で自立して生活して頂くかに重点がおかれていたのですね。しかし、障害が重い方にとっては、自立するということは、非常に高い・苦しいハードルを超えないといけないものです。
自立については、様々な捉え方があり、ここではその捉え方には言及しません。しかし、今の制度や医療では、普通に考えられる自立ということがかなりの重荷や苦痛に感じられていた障がい者が多数おられたことも事実だったのです。
そこで、自立を全面に出すという考え方でなく、自立の前に「共に社会で生きていくことが最も大事なことではないか」という考え方のもと、「障害者総合支援」と法律名が変わったのですね。
つまり、
・自立のための支援
から
・共生のための自立も含めた総合的な支援
へと支援の範囲や視点を広げたとも考えられますね。
人は生きていく上で、何か1つの分野だけで生きているわけではありません。
一人の男の人でもサラリーマン、お父さん、おじさん、夫、ボランティア、バイクが好きなおじさん、親戚、などなど様々な面があり、その様々な役割・面で一人の人格が成り立っているのです。
障がい者の方も全く同じで、自立することだけが障がい者の方のためになるかというとやはり「?」が付くのではないでしょうか。もちろん自立ということを目標にされている障がい者の方もたくさんいらっしゃいます。
しかし、自立「だけ」が目的となってしまうのも、障がい者の方の幸せの一面のみを見ていることになってしまわないでしょうか。