厚労省が先ほど、介護予防モデル事業(市町村介護予防強化推進事業)の実地報告書をサイトで公表しました。
今回はこの「介護予防モデル事業(市町村介護予防強化推進事業)」について説明してみたいと思います。
市町村介護予防強化推進事業って?
市町村介護予防強化推進事業と聞いてピンとくる方は介護現場の方なら多いかもしれませんが、一般市民の方にはあまり馴染みがない言葉ではないでしょうか?
市町村介護予防強化推進事業とは、厚労省の資料の目的によりますと要支援者等に必要な予防サービス及び生活支援サービスを明らかにするために、一次予防事業対象者から要介護2までの者であって、ADLが自立又は見守りレベルかつ日常生活行為の支援の必要可能性のある者に対するサービスニーズの把握、必要なサービス(予防サービス及び生活支援サービス)の実施、効果の計測及び課題の整理。
と書いてあります。
いつものごとく何やら難解な言葉が並んでいますが、私なりに要訳しますと
- 買い物や家事などの日常生活レベルの衰えが目立つようになってきた高齢者が対象
- その対象者に、どのようなサービスが必要かを調査する
- 調査結果をみながら、実際にサービスを実施してその効果を測り、問題を調査する
ということではないかと思われます。
また、同じく厚労省の資料によりますと
要支援者等に対し、一定期間の予防サービスの介入(通所と訪問を組み合わせて実施)により、元の生活に戻す(又は可能な限り元の生活に近づける)ことを行い、その後は、徒歩圏内に、運動や食事を楽しむことのできる通いの場を用意して、状態を維持する。
と書かれてあります。
つまり、サービスを行った後は、通いの場(通所・地域交流の場)を用意して、できるだけ今の状態を維持していこうという事になっています。
実際の実施内容・成果は?
この「市町村介護予防強化推進事業」はすべての市町村で行われているわけではなく、下記の13のモデル事業実施市町村で行われていました。
①北海道下川町
② 茨城県神栖市
③ 埼玉県和光市
④ 東京都世田谷区
⑤ 東京都荒川区
⑥ 三重県いなべ市
⑦ 奈良県生駒市
⑧ 岡山県岡山市
⑨ 香川県坂出市
⑩ 福岡県大牟田市
⑪ 大分県竹田市
⑫ 長崎県佐々町
⑬ 沖縄県北中城村
例えば東京都世田谷区では、「あんすこ」と呼ばれる地域包括支援センターが中心となって、様々な関係者や関係団体と連携を持ち、買い物などの外出支援では
- 送迎車両の確保
- 住民の話し合いでのルールづくり
- ボランティア活動サポート
通いの場づくりでは、デイサービスに行くのは気乗りしない方などに対して
- 若林あんしんすこやかセンター(喫茶店を会場としている)
を新たに設けたりしたことなどをの報告がされています。今後の介護予防事業のさらなる活用のヒントになることが、期待されています。