今月の8日英国のマーガレット・サッチャー元首相が亡くなられましたね。
イギリスの首相の中では、チャーチルと並んで日本人にとって最も有名な首相の一人といっても過言ではないでしょう。
サッチャーと言えば「小さな政府」が有名ですね。この小さな政府は、決して福祉サービスが必要な方を手厚くする政府とは言いがたく、福祉関係や労働者の方には、概して評判が良くないのも事実です。
特に、イギリスはあの有名な「ゆりかごから墓場まで」といわれる手厚い社会保障制度があったのですが、サッチャーはこの制度にも容赦なく改革の手をいれたのです。
当然いわゆる社会的弱者の方等からの反発はものすごく、サッチャー元首相の葬儀には、労働者団体がその死を祝う集会まで行われたようです。日本では、死んだ人は仏になるという宗教観がありますので、日本人にはそこまであからさまな事をする感覚が分かりにくかもしれません。
しかし、一方で今のイギリスの基礎を築いたのもサッチャーという方も多いのですね。特に金融の街ロンドンの基礎はサッチャーが行ったと言われています。
この事は、いい結果だったのか悪い結果だったのか、それはわかりませんが、それだけ歴史に残る様々な政治的判断を行った証でもあるのではないでしょうか?「あの首相何をやったっけ?」といわれる首相では、あえて誤解を恐れずに言えば、いないのと同じなのですから。
確かに手厚い社会保障制度を維持していれば、国民の人気は良かったかもしれません。しかし、国の体力がないまま保障のみ手厚くしていれば、最終的には今のギリシャの様になっていたかもしれないのです。
どちらにしろ、歴史上に残る偉大な首相であることは確かだと私は思います。
合掌