東日本大震災では、多くの家族が住み慣れた土地を離れ、仮設住宅で暮らされています。この仮設住宅で暮らす避難家族の間で、児童虐待が増えてきているようなのです。

下のサイトの写真をご覧ください。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/photos/130916/dst13091607000003-p1.htm

宮城県、福島県での児童相談所に寄せられた虐待対応件数の推移です。平成22,23年度と24年度を比べますと、減少しているのは会津児童相談所だけで、それ以外は同じかもしくは増加しています。

特に避難者24,000人が流入したいわき市を管轄する浜児童相談所では、2.1倍の急激な増加となっています。では、なぜこのような急激な児童虐待の相談増加が起きるのでしょうか?

 

<生活が劇的に変化した>

このような急激な相談件数の増加には、親を取り巻く環境が東日本大震災で急激に変化したことが大きいのではないかと考えられています。

例えば、見知らぬ土地で暮らしていかないといけないストレスや、震災で仕事場がなくなり新しい仕事を探しているが、なかなか思うように見つからないストレスなどが挙げられています。

更には、仮設住宅そのものの特殊な状況も原因の一つではないかと思われています。
仮設住宅はその名の通り、「仮設」の住宅ですのでしっかり作ることよりスピードと数がどうしても優先されてしまいます。

児童虐待このことはつまり、住宅そのものが狭く更には壁が薄いため、プライバシーがなかなか守れないというストレスになるのです。特に小さい子どもを抱える家庭にとっては、子どもの泣き声などが隣の迷惑になっていないかと、普通以上に神経質になってしまいがちなのです。

ただ、このことは逆に子どもの泣き声が聞こえやすくなったということにもなり、泣き声通報をしやすくなったということにもつながっています。壁が薄いということは、メリットとデメリットを同時に生んでしまったようなのです。

<両親の生活の安定を早急に>

早急な対応が必要な事例は、それほど増えていないようなのですが、両親の生活が安定し、ストレスが減らない限り、今後も児童相談所への相談件数は増えていくのではないかと思われています。

東京オリンピックが決まったことはとても良いことだと思いますが、被災地の方の「東京オリンピックばかり税金が使われ、被災地の復興は後回しにならないといいんだが」という言葉が胸にささります。

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