エリクソン(エリク・H・エリクソン)
エリク・ホーンブルガー・エリクソン(Erik Homburger Erikson, 1902年6月15日 – 1994年5月12日)は、アメリカの発達心理学者で、精神分析家。
「アイデンティティ」の概念を提唱したことで知られる。(ウィキペディアより)
とあります。
エリクソンは精神分析家ですが、試験では
- 何を提唱したか?
- そしてその大まかな内容は何か?
が問われています。
最初の何を提唱したか?ですが、
エリクソン=アイデンティティ
と言っても過言ではないでしょう。
それくらいアイデンティティの提唱で有名です。
また、そのアイデンティティが発達する過程での課題を研究し、自我(アイデンティティ)の発達過程を提唱しました。
ですので、
エリクソン=アイデンティティ=発達課題
と理解しておきましょう。
次に、発達課題の大まかな内容ですが下の表がその大まかな内容になります。
心理的側面の左側が成功した場合、右側が失敗した場合です。
段階 | 名前 | 心理的側面 |
---|---|---|
第一段階 | 乳児期 | 信頼 対 不信 |
第二段階 | 幼児前期 | 自律性 対 恥・疑惑 |
第三段階 | 幼児後期 | 積極性 対 罪悪感 |
第四段階 | 児童期 | 勤勉性 対 劣等感 |
第五段階 | 青年期 | 同一性 対 同一性拡散 |
第六段階 | 初期成年期 | 親密感 対 孤独感 |
第七段階 | 成年期 | 生殖性 対 自己吸収 |
第八段階 | 成熟期 | 自我統合感 対 嫌悪・絶望 |
また、この過程はよく下のリンク先の図のようにピラミッドで表してあります。
http://matome.naver.jp/odai/2135644952995426701/2135952429139578403
ピラミッドといえば、そうですね
マズローの5段階欲求のピラミッド
が有名ですが、このマズローのピラミッドと、エリクソンの発達課題もよく見ると似ている部分がありますね。
つまり、下の段階では
- マズローでは生理的欲求
- エリクソンでは基本的信頼
とどちらも基本的な部分を説いています。
ピラミッドの上に行くほど
- マズローでは、自己実現欲求
- エリクソンでは、自我の統合性
と、どちらも高次の部分を説いているのですね。
特にピラミッドの頂点の内容は、人間の最高の状態を、欲求とアイデンティティの面から見ただけで、目指すところは
「自分は自分、それでいいんだ」
という部分では同じではないかと思ってしまいます。
追伸:
エリクソンはその北欧系の風貌からユダヤ系社会や教会で差別を受け、またドイツ人コミュニティからはユダヤ人であるという理由で差別を受け、二重の差別を受けて育った。実父の出自や所在が分からない状態で育った事も加え、彼の出自や生育歴がその後の理論・思想形成に大きな影響を及ぼしている。
(ウィキペディアより 太文字著者)
とあるように、エリクソンがなぜ自我の研究を行ったかと考える時、まさにアイデンティティが不安定であったからといえるのではないでしょうか。
「一体自分は何国人なのだ?」
というあまり日本人では思わない国籍という部分で、かなりの葛藤があったと推測されます。